2011年2月25日金曜日

Nha May Dien Ca Mau



U Minhというこの辺りでも最貧といわれる地区出身の友人の家に招かれ、一泊お世話になって帰って来た。不揃いの大きさの木材と、トタン、レジャーシートなどの素材を組み合わせて作られたそれほど大きくもない家に、家族9人が暮らしていた。家の中でも足下は土。部分的にコンクリートの土間。扇風機、テレビ、仏壇以外は特にこれといった家具が見当たらず、服は水場近くの物干し竿にまとめてかけられていた。干物を酒の肴に一杯やっているおじさんたちに混ざって簡単なおしゃべりをしていたら、いつの間にか近所に住む親戚なども沢山集まってきてくれた。物質的にではなく豊かな空間がそこにはあったように感じた。
いつもは家族数人が寝ているであろう場所を私ひとりの為に空けてくれ、蚊帳の中でぐっすりと眠り、翌朝は、まだ夜も明けぬ4時ごろ隣の部屋から聞こえてきたテレビの音で目を覚ました。昨晩は違う蚊帳の中にいた女の子が隣で身を寄せて眠っていた。

7時10分から受け持ちのコマがあったので、5時には出発。街灯がないので辺りは真っ暗。でもそのぶん月明かりがとても明るく感じた。またそれが真っ暗な川面に映って揺れるのが本当に美しかった。そんな場所から見える、遠くの方に煌々と光る人工的な光。中国資本で建てられたという発電所が夜中も休まずに稼働しているのが見えた。強いライトの光をあんなにも不気味に感じたのはこれが初めてだった。バイクの後ろに乗せてもらっての帰り道の途中、その発電所のよく見える所を通った。運転してくれた友人は、きれいでしょ?ときいてきたが、私の目には、巨大な建物、白煙、たくさんの電灯、機械音、そのすべてが不気味に映った。